日本酒の樽は下が小さく上が大きい円錐の頂点を切って逆さにしたような形になっています。
船で運ぶことを考えると酒を入れた重い樽を梱包もしないでそのまま輸送すると樽同士がぶつかり、破損の原因にもなります。また、転がすにも上下の口径が違うので大変扱いにくかったことでしょう。
そのため、木樽の周りに藁を巻き、その上から菰を被せて、ぶつかっても中の樽が破損しないように、また運搬にも便利なようにと考え出された樽の梱包方法が菰樽の起源です。
一番外側の菰は、包装紙の代わりでもあるため、江戸での需要が増えるにつれて次第に豪華になり、それぞれの酒屋の屋号やデザインで飾られるようになりました。
古来より培ってきた藁を利用した稲作文化は、エコロジーの優等生です。
米が実り、刈り取られた稲は米と藁に分別しますが、藁はゴミではなく、草鞋になったり、紐になったり、菰や莚になったり、また、緩衝材になったりと捨てるところがありませんでした。
また、不要になれば、かまどの燃料になります。その燃えかすは田畑の肥料になり、次の年の豊かな実りを約束してくれます。
稲作文化の一端として、職人の伝承技術でもある樽の菰巻きをイラストでご紹介します。








昔は輸送用に使われていたので樽の木香が酒に強く残りましたが、現在では、あまり強い木香は、好まれない傾向にあるので、酒を詰めてから2-3日で飲まれることが多いようです。
イラストは四斗樽(一升瓶40本)の菰樽作りですが、二斗や一斗のかわいらしい樽や菰樽もあります。樽から直接注がれる日本酒のおいしさは格別ですよ。


